
この記事はGeminiやChatGPTなど人工知能(AI)で建設業許可の実務が可能かについて。
一般の申請者(建設会社等)と行政書士側から解説いたします。
結論を申し上げると、現時点は生成AIに丸投げは厳しいです。
現時点で可能なのは、許可に関して大まかな方向性の確認になるかと思います。
新規の建設業許可は十数種類の書類と膨大な添付書類が必要です。
許可業種や申請者の属性(国家資格者の有無)で多少変わりますが、平均で200枚前後の書類になります。
申請書を作るだけなら、建設業許可のソフトが出回っております。
ソフトを使えば財務諸表を含めても2時間もあれば作成可能です。
(建設業許可を取り扱う行政書士の平均値かと)
ソフトは行政書士以外の方でも無料で利用できる物もございます。
建設業許可は書類を作れば完成とはいきません。
6つある許可要件を満たしていることを申請書や添付書類に落とし込むことです。
行政書士の仕事は書類作成よりも許可要件整理が本体になります。
申請書作成は最終工程です。
いつかはAIで建設業許可の手続きが出来る日が来るかもですが…
そのためには色々な課題を解決する必要がございます。
特に個人情報の問題が難しいかと思います。
もう一つAIで判断が難しい部分として、審査基準が役所ごと担当者ごとにブレが大きいことです。
AIがOKを出しても役所でOKが出るかは別問題です。
弊所も相当の件数をお手伝いさせて頂いておりますが…
判断基準のブレに振り回されることが少なくありません。

まずは建設会社など申請者本人がAIを使って許可手続きを進める場合について。
一番のネックは常勤役員等(経管)と営業所技術者(専技)の要件確認です。
専技の要件で施工管理技士などの国家資格者なら資格証があればAIすら不要ですが…
そうでない場合は卒業証書や工事の注文書や請求書などの確認資料でチェックします。
現段階でAIにこれらの書類をアップしても正確な回答は望めません。
人工知能はインターネットに存在する情報をもとに判断を下します。
ネットに存在しない情報の場合、もっともらしい回答を創作します。
また正確な判断を出力するためには、正確なサンプルが沢山必要です。
まず指定学科についてですが。
卒業した学校、卒業年度、学科、カリキュラムなどなど、判断が難しいケースが多いです。
学校と学科名だけでは指定学科に該当するか分かりません。
ネットで全ての学校の年度ごとのカリキュラムまでカバーするのは難しいです。
次に注文書や請求書についてですが。
注文書に書かれた工事名が手引きやガイドラインと同じものであれば良いのですが。
そうでもないケースが非常に多いです。
本人申請でAIを活用できるシーンは、疑問点を生成AIに投げて方向性を確認することでしょうか。
その後で出力された回答が正しいか確認してゆくことになるかと。
調べものにはAIは最適です。

次に行政書士が生成AIで許可業務を行う場合です。
私も人工知能を建設業許可で活用することはございます。
建設業許可の手引きをGoogle NotebookLMに読み込ませて疑問点を確認する時などですね。
(質問に個人情報は一切入力しておりません。)
Google NotebookLMは取り込んだ情報だけを参考に回答を出力するものです。
ネットの適当な情報が入らないので、比較的信頼性が高い情報が得られます。
調べる時間を短縮できるので非常に便利です。
私は建設業許可の要件確認には使用しておりません。
行政書士の場合、許可に関する生データを多数保有しております。
そのデータを学習させることで、有効なAIに育て上げることが可能かもです。
だけどそれは無理な相談ってヤツになります。
顧客の機密情報をAIに学習させることは、行政書士として絶対にダメです。
AIを通じて顧客情報を流出させるリスクは負えません。
民間でもシステムで建設業許可をという話は出てきますが。
必要な情報を入力して申請書作成までが限界だと思います。
一番肝心な許可が取れるのかの判断は難しいでしょう。
判断するための膨大なサンプルの入手が不可能だからです。
将来的に添付資料が大幅に変更されて、確定申告並みに添付書類不要で申請できる様になれば…
生成AIで建設業許可申請の手続き書類一式や判断が出来る日が来るかもです。
そこまで思い切った規制緩和は難しいと思いますが…。
今は規制強化の方向に進んでおります。
以上が生成AIで建設業許可申請は可能かについてでした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
大阪府行政書士会 法人研究会会員
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
大阪商工会議所 建設・建材部所属
建設業経理士2級
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
建設業許可、経営事項審査、CCUS登録など建設関連の許認可手続き。
産業廃棄物収集運搬業、古物商免許。
年間相談件数は、500件を超える。
【表彰】

【運営サイト】