専任技術者の実務経験を短縮できる指定学科の卒業歴。
この記事は専技の指定学科について。
工業高校の建設系学科なら5年、大学の工学部なら7年短縮できます。
専任技術者の実務経験は、実務経験証明書と請求書の2点セットで証明していきます。
実務経験は建設工事の請負契約のみです。
常用工事は実務経験になりませんので注意が必要です。
専任技術者の学歴で必要な実務経験の期間が緩和されます。
専門学校の場合、専門士の有無で3年か5年に分かれますので注意が必要です。
指定学科を卒業していない場合、10年間の実務経験が必要になります。
意外と10年のケースは少なく無いです。
また10年間の経験とは詳しくは別のページでご説明いたします。
専技の10年の証明が建設業許可で一番ハードです。
10年前の書類が残って無いことが多くて、自社で経験が溜まるまで待つしかないケースが普通にあります。
卒業した学校によって、要求される実務経験の期間が変わります。
この様に指定学科を卒業していれば、必要な実務経験が70%~50%カットすることができます。
上記の表で建設系の学歴をご紹介しています。
この建設系とは工業高校なら建設学科や土木学科などの専門学科を指します。
大学であれば工学部の土木工学や建築学、都市工学や機械工学などの学科を示しております。
短期大学や高専も同じ種類の学科が指定学科に該当します。
指定学科の一覧は以下の通りになります。
許可業種 | 学科 |
---|---|
土木一式工事 |
土木工学(農業土木、鉱山、森林、砂防、冶山、緑地、造園) |
建築一式 |
建築学 |
左官工事 |
土木工学 |
電気工事 |
電気工学 |
管工事 |
土木工学 |
鋼構造物工事 |
土木工学 |
板金工事 |
建築学 |
防水工事 |
土木工学 |
機械器具設置工事 |
建築学 |
しゅんせつ工事 |
土木工学 |
熱絶縁工事 |
土木工学 |
造園工事 |
土木工学 |
建具工事 |
建築学 |
さく井工事 |
土木工学 |
土木工学なら土木系、建築学なら建築系の許可業種を大体はカバーしていますね。電気工事と電気通信は電気関係オンリーです。
建設系の学科を修めれば、どの許可業種でも大丈夫だと良いのですが、学んだ内容対して許可業種は制限があります。
例えば土木工学系の学科を卒業していれば、「土木工事業関係」の許可業種になります。
また建築学系の学科を修めれば「建築工事業や大工工事業」などの許可業種になります。
そのほかにも電気工学や電気通信工学系の学科であれば「電気工事業電気通信工事業」が該当します。
大阪府では専任技術者の指定学科に専門学校も含まれるようになりました。
専門学校の場合は、卒業資格+3年の場合と5年のパターンに分かれます。
専門学校で専門士の学位を得た
専門士の学位がない
建設系の専門学校を卒業して「専門士高度専門士」の学位を得た場合は短期大学を卒業したのと同じ扱いを受けることになります。
よって専門士の学歴と3年間の実務経験があれば、専任技術者として認められます。
卒業証書などに
「専門士(工業過程専門)の称号を得たことを証明する」
この様な文言が入っていれば7年分の実務経験が免除されます。
専門学校の専門課程を卒業したけれども「専門士や高度専門士」の資格を取らなかった場合ですと、工業高校を卒業したのと同じになります。
すなわち卒業資格+5年の実務経験が立証できれば、大阪府から技術者として確認を受けることが可能です。
近年では伝統的な「建築学科や土木工学科」ではなく、様々なニーズに応えて色々な学科が存在します。
中には学科名だけを見ても、どの許可業種に該当するか分からないケースが多いです。
例えば、
など一見しただけでは良く分からない学科があります。
(何となく内装関係など建築系の学科だと推測はできますけども)
例えば電気工事や電気通信工事で、電気工学や電子工学でなくても履修科目に電気回路や電子工学と言った科目名が入っている場合は、指定学科と認められるケースもあります。
(役所に相談してみてください。)
取りたい許可業種での指定学科に対応しているのか、自信をもって断言できる人はその学科の先生と卒業生くらいです。
このような場合は母校で履修科目証明書(学校ごとに呼び名が違う)などを用意して、役所と事前に相談する必要が出てきます。
弊所が建設業許可の新規申請を行う場合、実務経験証明書を作成する前に、必ず大阪府の担当官に指定学科の確認を取っています。
理由は手引きやガイドラインに書かれた、そのものズバリの学科でも卒業年度や履修科目によっては指定学科に認められない可能性があります。
建設業許可申請する場合、何度も大阪府庁に出向いて担当官と協議は普通にあります。
いきなり申請書一式を持っていて、一発受理なのがベストですけども…
弊所は申請時に要件が整ったと判断するまでは書類を出しません。
指定学科が認められず、許可が取れない状況が怖いからです。
ご依頼者様にとっても弊所にとっても大問題に発展します。
外国の工学部などの関連学科を卒業した場合。
海外の卒業証明書や履修証明書だけでは判断が付きません。
日本の建設業許可が海外のスキルに対応していないため。
この場合は、国交省本省の大臣認定を受ける必要があります。
詳細な解説は別ページにあります。
専技の指定学科についてでした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
大阪府行政書士会 法人研究会会員
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
大阪商工会議所 建設・建材部所属
建設業経理士2級
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
建設業許可、経営事項審査、CCUS登録など建設関連の許認可手続き。
産業廃棄物収集運搬業、古物商免許。
年間相談件数は、500件を超える。
【運営サイト】