この記事は決算変更届の事業報告書の書き方と記入後の見本をご紹介します.
決算変更届は,建設業の許可業者が年に1回提出が必要な書類です.
締め切りは決算終了後4か月以内となっています.
建設業許可の更新には5期分の決変の提出が条件になります.
決算変更届は事業報告になりますので,形式が整っていれば受理されます.
一部手間が掛かる書類がありますので,早い目の準備が吉です.
全く手を出していないと更新直前に5期分まとめて決変を提出することになります.
5年分を一気に出すやり方は危険です.
話を戻します.
事業報告書とは,企業の役員や株主情報,主な業務,簡単な決算データや今後の見通しなどを記載した書類です.
個人事業主の建設業許可業者は,提出しなくても問題ありません.
報告書は概ねA4用紙1枚程度でコンパクトにまとめたものです.
様式は特に決まりはありませんので,任意の形式で作成頂いても大丈夫です.
ガッツリと報告する会社は,詳細な数字や事業計画や今後の見通しを数枚で書くところも.
(帝国データバンクなど調査会社向けだと思います.)
大阪府は独自のフォーマットを用意してくれています.
また建設業許可のソフトには,事業報告書を作成できるものもあります.
こちらのページでは大阪府のフォーマットを用いた事業報告書の記載例をご紹介します.
こちらが大阪府が提供している事業報告書のひな形になります.
上記の画像は大阪府の建築振興課のHPよりお借りしました.
上記のテキストリンクをクリックorタップした先が大阪府の様式集ページになります.
PDFとExcelファイルの二種類があります.
(個人的にはエクセルは使いにくい)
こちらが弊所が作成した記載例になります.
記入した部分は緑色のテキストになっています.
大阪府のフォーマットを使用して比較的にシンプルに記載しています.
あまり情報を出したくない人向けかなと思います.
(ほぼ閲覧可能な情報を転記しただけとも言える)
ここからは事業報告書の書き方をご説明します.
事業年度を記載
報告する事業年度を記入します.
例;自令和4年4月1日~至令和5年3月31日
事業年度が平成の報告なら,令和の部分に線を引いて下余白に平成と記入.
(5期分まとめて作成せざるを得ない場合のみ)
何期かを記入
会社の期を記入します.
例:第8期
税理士事務所から送られてきた,確定申告書一式の決算報告書に書かれていることが多いです.
会社名
報告する会社の名称を記入します.
例:株式会社 大阪普請奉行
会社のゴム印でも大丈夫です.
代表者名
社長の名前を書きます.
例:代表取締役 兼摂 大祐
会社の丸印は不要です.
次は事業内容について記載します.
建設業の事業
会社がメインで行っている建設業の仕事を書きます.
建設業の許可業種と実際の工事内容など.
例:建築一式工事で注文建築の施工など.
ひな形はスペースが小さいので一番多い業務で終了になると思います.
兼業・・・具体的に
建設業以外の仕事がある場合は記入します.
例:宅地建物取引業,住宅の賃貸管理や売買など
建設業許可申請書で兼業ありと書いた場合は必ず記入します.
この段は株主と営業所の情報を記載します.
主な株主状況
会社の株主の名前と持ち株数を記入します.
例:兼摂 大祐 500株
主な株主は5%以上の出資者を指します.
許可申請書に書いた人の名前を書けば良いと思います.
主な営業所
会社の営業所の名前と住所を記入します.
例:本店 大阪府大阪市○○…
こちらの情報も申請書の営業所一覧の情報を転記で対応可能です.
直近3期分の決算データを記入します.
説明は左から右へと進めてまいります.
期別
報告する年月(決算月)を記入します.
例:2023年3月期
順番は下から今期→前期→前々期と進みます.
総売上高
建設業許可の財務諸表に記載した総売り上げを記入します.
単位は千円になっています.
例:500,000千円
伸び率
去年の総売上高と比較した伸び率を記載します.
計算式は以下の通りです.
(今期の売上-前期の売上)÷前期の売上高×100=伸び率%
売り上げが前年度と比較して減少した場合,「-○○%」とマイナスを付します.
電卓で計算が面倒な方は,エクセルや伸び率計算サイトで数字を出すと楽です.
完成工事高
決算変更届で報告した完成工事高を記入します.
財務諸表や直前3年,工事経歴書の数字と齟齬が出ない様に気を付けましょう.
例:300,000千円
伸び率
前期の数字と比較した増減率を記入します.
計算式や記入方法は,総売上高と同じです.
当期利益
決算変更届で報告した当期純利益の数字を記入します.
例:150,000千円など
こちらも他の書類と食い違いが無いように気を付けましょう.
実績や来期の事業に関する説明を記載します.
今期の実績
今期の数字に至った理由や経常利益の数字を記入します.
特に決まりはありません.
弊所は総売上高と経常利益の数字を記入することが多いです.
ご依頼者様のご要望がある時は,別の文書を入れることもあります.
来期の業績見込み
来期の業績に関する情報や目標などを記載します.
スペースが小さいので一言レベルの内容になることが多いです.
決算変更届を営業やマーケティングの一環と考える会社様は,しっかりした内容を書きます.
特記事項
特に説明が必要な項目があれば記載します.
無ければ空欄でも大丈夫です.
決算変更届の報告時の役員や従業員について
決算期の役員の状況
取締役の役職,常勤と非常勤の別,役員の氏名を記入します.
例:代表取締役 常勤 兼摂 大祐
申請書の役員等一覧に書かれた情報を転記で対応します.
(最新の情報が反映されていることが重要)
常勤の職員数
決算時に勤務する社員数を記入します.
役員,事務,営業,技術,その他,合計人数とフルタイムの人数を記載します.
こちらも申請書の使用人数のデータを転記で対応します.
以上が決算変更届の事業報告書でした.
ここまでお読みいただきありがとうございます.
行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
大阪府行政書士会 法人研究会会員
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
大阪商工会議所 建設・建材部所属
建設業経理士2級
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
建設業許可、経営事項審査、CCUS登録など建設関連の許認可手続き。
産業廃棄物収集運搬業、古物商免許。
年間相談件数は、500件を超える。
【運営サイト】