個人事業主名義で許可を取るか会社名義で許可を取るか?

【建設業許可大阪】個人で許可を取るか会社として申請するか?建設業許可大阪の4コマ漫画
会社設立した後で建設業許可を取ったほうが有利なケースを紹介する4コマ漫画。

建設業許可における個人許可と法人許可

建設業許可は一人親方などの個人事業主としても取ることができます。
また最初から株式会社を設立して、建設会社の社長になってから申請することも可能です。

 

個人名義で許可を取った場合は個人許可と呼び、会社名義で許可申請したときは法人許可と呼ばれます。
法人と個人での建設業許可はかなり違います。

 

この記事では、個人で許可を取るか会社として申請するかに関してご紹介します。

 

当サイトの行政書士の個人的な見解
安易に会社を設立することはお勧めしません。
確かに個人事業主よりも税負担は軽くなる可能性があります。
また法人成りだと許可取得のコストが倍になります。
表面的に見えるコストだけを考えての法人化はどうなのでしょうか?
という立場を取っています。
一概に会社を作ることが悪いとは思っていません。

 

提出する書類が微妙に違う

大阪府知事許可に関してですが。
大阪府庁に提出する書類が変わってきます。

 

一般的に法人のほうが提出する書類が多くなります。

 

法人許可だけで要求される書面の一例。
・役員等の一覧表
・法人用の詳細な決算書
・株主調書
・会社の商業登記簿謄本
・定款のコピー

 

特に決算関係の書類は、個人事業主と比べるとかなりボリュームが大きくなります。

 

将来的に法人なりを検討しているなら会社で許可を取ったほうが良いです。

大阪府や国土交通省から許可を取って、もっと仕事を大きくしたいと考えるなら会社の設立は必須です。
仕事をする上で会社組織と個人事業では出来ることが変わってきます。

 

個人事業とは全然違う信用力。

会社によっては法人としか取引をしないと断言する所もあります。
元請け先が株式会社にするようにと要請があれば、選択肢はないのが現実です。
また金融機関から融資を引き出す際には、会社であるほうが有利です。

 

個人事業よりも税負担が軽くなる可能性があります。

一般的によく言われる会社のメリットですね。
年間所得が1000万円を超えたあたりから所得税が法人税よりも高くなると言われています。
(税金の詳しいことは税理士さんのお尋ねください。)

 

また個人事業よりも損金(経費)にできる範囲が広くなったり、役員に退職金を出すことができたりもします。

 

個人から法人に許可を切り替えるのに2倍以上のコストと手間がかかる。

法律上、個人と法人は全くの別人格です。
個人事業から法人成りして、会社にした場合に建設業許可を取り直す必要が出てきます。
正確には個人事業でとった許可を廃業して、新しく作った会社で新規申請をすることになります。

 

大阪府知事許可の場合、新規申請には役所に9万円の手数料が必要になります。
行政書士に代行を依頼すると、10万円前後かかります。
その他の必要経費を足して、合計で20万円くらいの出費になります。

 

最初に個人でとって、法人でもう一度許可を取ると、2倍の40万円のコストが発生します。
許可を取る際に、近い将来に会社組織にする予定がある場合ですとお金の無駄遣いになってしまいます。

 

自分の事業を誰かに引き継がせたい。

法人許可のメリットは、事業を他者に継承させるときに真価を発揮します。
個人の許可は、その人の帰属します。

 

具体例を上げると1級建築士は試験の合格者に付与されます。
建築士の資格は、第3者に譲渡することができません。
建築士が引退したら、ライセンスは消えてなくなります。
引退するから息子に1級建築士を譲ることができないというわけです。

 

建設業許可も個人で取得すると、建築士の例と同じことが起こります。
許可を持っている人が、引退するとライセンスが取り消されます。

 

しかし会社が資格を持っていると、状況が変わります。
会社の代表者が交代しても、許可の5要件さえ満たしていれば、問題なく続けることが可能です。
最初からずっと同じ番号を使い続けることができます。

 

本当に必要ですか、その会社。

安易に会社設立することはお勧めしません。
記事の上部でも記載しましたが、個人的には単に見栄えが良くなる、表面的な税金が安くなるから、士業の専門家に勧められたから。
この様な理由で会社を設立することは止めといた方が良いです。

 

会社を作ったほうが良いケース

・所得が1000万円を超えそうだから会社を設立しよう。
・建設業の事業をもっと大きくしたい、地場のゼネコンを目指している。
・自分が築き上げた工務店を親族や従業員に引き継がせたい。

この様な事情がおありでしたら、株式会社を作って法人許可を取ることをお勧めします。

 

私も個人で商売をしていたので、法人成りに強い憧れがあります。
今も自営業者の檜舞台だと思っています。
同業者と名刺を交換するときも、(株)○○代表取締役と書かれた名刺を見ると儲かっているんだろうなと考えました。
個人で商売を始めて、儲かりだして会社にしたんだと羨望の眼差しを向けていました。
会社を作りたいという気持ちがすごくわかります。

 

仕事は憧れだけでは遂行できないのも事実です。
会社を作るメリットもありますが、同時にデメリットも少なくないからです。

 

会社にすると経理や税務処理が格段に難しくなります

個人事業と会社組織では、事務処理の数が全く違います。
定期的に株主総会や取締役会の書類づくりに、役員の任期が切れれば重任登記が必要だったり。
社会保険の手続きなど色々な書類を定期的に作成しなければなりません。

 

また経理も個人事業の時よりも複雑です。
多くの場合は会計事務所の協力が必要になります。
特に確定申告は税理士さんがいないと厳しい面が出てきます。

 

税金以外のコストが跳ね上がる。

個人事業と比べると税金が安くなる可能性が高いとよく言われます。
これは法人税に限った話で、他のコストについては無視されがちです。
特に社会保険の負担は税金よりも遥かに重いものになります。

 

株式会社は厚生年金・健康保険の強制適用事業

個人事業主であれば、従業員が5人以下なら社会保険は任意です。
建設業なら土建国保と国民年金と雇用保険に入れば社会保険の要件はクリアできます。

 

国民健康保険と土建国保は、事業主負担はなく従業員負担になります。
しかし厚生年金などの社会保険は半分を事業主(社長)に負担義務があります。
社会保険の負担の重さに、かつての建設業界は厚生年金などに加入するところは少なかったです。

 

一般的に厚生年金と健康保険のほうが、負担が小さくて保証が大きいと言われています。
これは会社に雇われている人(サラリーマン)に限った話です。

 

事業主(経営者)自身は、半額にならずに全額自己負担となります。

 

厚生年金などの社会保険は、年金を受け取る年齢になった時には非常に有難いものです。
社会保険に入ることが目的で会社を設立する人も少なくありません。
この辺は個々人の状況によるのかと思いますが。

 

まとめ

建設業許可を取得する際に悩むのが、個人許可か法人許可で取るかです。
事業の継承や信用力、発展性を考えると、会社として許可申請をするほうがベターです。
しかし全てのケースで株式会社を設立するのが良いとは思えないのも事実です。

 

最後に会社を大きくすることは、比較的順調に進みます。
従業員を雇い、高額な機械を導入するなど投資は計画通りに進みます。
しかし会社を小さくすることは非常に大変です。

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